Thursday, 9th of December 2010
- これまでのあらすじ
- 恒例の職場健康診断ではじめて便潜血陽性反応が出た。近所の同僚の先生がこれに引っかかって大腸がんの開腹手術を受けたりしたことがあったので猛烈にびびる。とりあえずかかりつけの医師に相談すると、いちおう内視鏡検査を受けておきましょう、ということになり、検査の予約を入れる。そして検査の当日。
- 朝から絶食。昨夜も消化のいいものというから、焼き魚(鯛)とうどんしか食べてない。寝る前には下剤を服用。
- 検査のあとは車も運転できませんというので、奥さんに送ってもらう。9時前にチェックインを済ませ、すぐに治療室に通される。ここで2リットルの下剤を2時間かけて飲むのだ。
- ポカリスエットみたいな味だと説明を受けていたが、ポカリスエットを猛烈にまずくしたような味。バリウムのような粘りはないが、かすかな塩気の他には、味の素を水に溶いたような妙な味がする。実際、製造・販売は味の素だ。
- 最初はKindleを読んだり、珍しがってのぞき込む看護士と電子書籍の話をしたりと余裕たっぷりだったが、1時間を過ぎる頃からしんどくなってきた。ふつうの治療室の片隅にある机の前に座って延々飲み続けるわけだが、屋台に座って日本酒を飲むわけじゃなし、そんなたくさん飲めません。しかも、飲まないといけないというプレッシャーがあるので気が重い。
- なんとか飲み終えたのが11時半頃。途中、何度か厠に行って腸をきれいにするが、最終的に、固形物が含まれないきれいな水のようにならないと、看護師のOKが出ない。厠にある看護士呼び出しブザーを鳴らすと、すぐに看護士がやってきて、合格!とか、不合格!とかいうんである。
- ようやく合格をもらったのが午後1時過ぎ。再び待つことしばし。小一時間後、内視鏡部に移動して、おしりの部分が開いている特殊パンツに履き替え、検査台の上に。腸の動きを押さえる筋肉注射を打つ。
- 内視鏡は、細いケーブルのようなものを後ろの扉から差し込んでいくのだが、技師が「見たいですか?」と言うので「ぜひ見たいです」と答えてカラーモニターを見せてもらう。後ろの扉からこんばんはと入っていって、ぐねぐねと進んでいく。この段階で、かなり腹に違和感がある。盲腸のところまでぐるっと差し込んだところで、空気を入れて腸をふくらませ、腸壁をよく観察しながら後退していく。「このへんが肝臓ですね。色が少し違います。いや、肝臓が悪いんじゃなくて、色が透けているんです。それほど、腸の壁は薄いんです」というような観光ガイドが入る。
- 途中、小さなポリープがあったので、技師が「生検」と言うと看護士が入ってきて、先端に小さいハサミのようなものが付いたオプションケーブルをもとのケーブル内部に挿入し、器用にポリープの一部を切り取る。日常お決まりの慣れた仕事という雰囲気だ。
- 最後に直腸を検査するが、後退してもうすぐドアから外に出るところでもう一度侵入させ、ぐるっと回って直腸上部から門の内側を見せてくれる。月の裏側を見た感じと言えばいいのか。感動である。
- その後、再び内科の診察があり、ポリープについては、おそらく心配ないが念のため検査に出すとのこと。結果を24日に聞きに行くことになる。完全にスッキリしたわけではないが、まあ一安心と言ってよかろう。
- 会計を済ませ、迎えに来てもらった奥さんの車で帰宅。しかしこのとき、検査時に入れた空気が腸の中に大量に残っていて、強烈なガス腹のような症状に見舞われる。なにも食べてない空腹感と腹部膨満感を同時に感じるというお得だがかなり苦しい経験だ。
- ようやく自宅に戻って慣れ親しんだトイレに入りリラックスタイム。しばらくすると腸内の検査用空気が抜けていく。こんなに長いオ○ラをしたのは生まれて初めてだ。「あしひきの山鳥の尾のしだり尾の」と形容したくなるほど長々しい。(しかもぜんぜん臭くない!)
- このところジョギングをしていないので時間があったら走ろうかと思っていたが、無理をすることもないので静養する。注射のせいか、ちょっと気分がふわふわする。