Last modified: 20200510T1529+0900
哲学関係の英語文献にはその名も「哲学者の索引」というすばらしいデータベースがあります。わが社のメディアからは無料で使えますのでこれを使わない手はありません。これを使うために卒業後も何らかのかたちで慶應に関係しようとする研究者も多くいます。
使い方を文章で説明するのは難しいので、画面の遷移を写真で示しておきます。
まずはメディア(図書館)のホームページに行きましょう。「データベースナビ」をクリック/タップ。
学外からだとこういう画面になります。
電子ジャーナルは、すごいお金を払っているので、不正をするとひどいことになります。通常の使用は、むしろどんどん使ってください。
いろんなデータベースがありますが、分野で絞り込みます。もちろん「哲学」で。
なんでか「心理学」がくっついていますが、これで絞ります。
「哲学者の索引」がありました。
この画面が出たら成功です。検索語をいろいろ入れてみましょう。
たとえば、"aquinas, creation"と入れてみると、351件の論文や本がヒットしました。あとは読むだけですね。グラフを見ると、最近このテーマの論文が増えていることがわかります。減っているようなものは、あまり最近では議論になっていないものですね。
「慶應義塾大学」という少しハデなリンクをたどると、その論文が読めるページに行くこともありますが、マイナーなジャーナルは、読めないことも多いです。読めるジャーナルはわりと有名なもので、読めないのはマイナーなものです。「なんでこんなメジャーなジャーナルが読めないんだ!」と文句が言えるようになったら一人前?です。
各論文のページには要約があることが多いので、それを読むだけでも勉強になります。
問題は目の前にあるんであって、このような文献を渉猟することはジャーナリズムであり、哲学者は眼前の問題に集中すべきである、というのもわからないこともないですが、実際問題、こういう文献に教えられることは多いです。まずは読んでみてください。100本くらい読んで、これなら読まなかった方がよかったと思った人はたぶん天才です。こういうのを読むのは時間の無駄なので自分の研究に集中してください。
あと、どの程度読めばいいかという物理的な問題があります。アメリカの先生は「全部読め」と言いますが、そんな体力がある人は稀です。メジャーな雑誌に絞るとか、有名論文から芋づる式にたどるとか、好きな研究者を決めるとか、いろんな手法がありますが、そういう経験を積むためにも、このデータベースと親しくなることが(意外に)重要です。Enjoy!
念のために、こういうのが本当に必要になるのは修士論文から先のことです。卒業論文では、むしろ原典テキストに集中することをお勧めします。