• {{isbn_detail '978-4309624570'}}
  • ちょっと前に、著者のお一人から贈っていただく。どうもありがとうございます。
  • めずらしいタイプの本だなと思ってぼつぼつ読んでいたが、先週、ちょっと長旅をする機会があり、その道中で全部読み終えた。これはやっぱりとってもめずらしい本だ。
  • 宇宙物理学者の東大の須藤さんが、科学哲学者の京大の伊勢田さんに「科学哲学とはなにをする学問なんですか」と問いかけ、伊勢田さんが懇切丁寧に説明する、というスタイルで、全編対話形式で進行する。
  • そもそも、この対話が300ページほども延々と続いていることに驚かされる。これは、科学哲学のいろんな分野についての話題に花が咲いているのではなく、ようするに、須藤さんの方が、最初から最後まで、ほぼ進展することなく(細かい誤解が解かれるということはあるが)、「わからん」と言い続けていることによる。
  • 科学者と科学哲学者の違いが、野球選手と野球連盟の役員の違い、というわかりやすい(?)比喩で語られたりして、一瞬、両者(というより須藤さんの方)が歩み寄ったりすることはあるが、基本的に、最初の緊張感が最後まで持続して着地しないまま打ち切られる。
  • しかしこれは、失敗ではなくて、双方が強い覚悟をもって、安易に妥協することなく誠実に議論を重ねた結果であり、人間関係重視の通常の「対談」とはまったく異なる「討論の記録」となっている。その意味でもめずらしい。
  • この本からなにを読み取るかは各人の興味関心による。日頃「哲学」というエラソーな学問に不信感を抱いているとくに理系の人は、須藤さんの痛快なツッコミに溜飲を下げる、という読み方をするのだろうし、いろんな機会にこの手の批判にさらされることに飽き飽きしている哲学業界の人は、そのような機会に自分が取った態度と、この本に現れている伊勢田氏のホトケ様のような誠実さとのあまりの違いに恥じ入り、今後はもう少し真摯に対応しよう、と考え直す機会となることであろう。いや、ホントに、個人的にはてっちゃんの堪忍袋の大きさばかりが印象に残る本でした。
  • (なにかと話題のカバーのデザインだが、Twitterのprofile写真あたりを使った方がよかったのではないかと。)
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  • ==ついでに==こちらも宣伝しておこう。
  • 国際的に絶賛活躍中の納富先生が、こんどは==バラエティー==テレビ番組に進出だ([[NHK Eテレ『100分de名著』|http://www.nhk.or.jp/meicho/]])。プラトンの名著『饗宴』を伊集院光と竹内陶子アナとの軽妙なトークを交えて懇切丁寧に解説してくれるはず(圧力)。『饗宴』の内容を知りたい人、動いている納富先生を見たい人、どうして納富先生は宴会の翌日でもあんなに元気なのかが知りたい人など、いろんな人にお勧めできる。