以前にも確認したが、大手工務店に発注した工事を実際に行うのは地元の下請け業者である。素人考えでは、当然、大手工務店は、その下請け業者に対して、自社の製品を現場で仕上げるための細かい技術指導と現場監督を行うはずだと思うのだが、そこが地球人と宇宙人の文化の違いである。なんと宇宙人の工務店は、工事を丸投げしてしまうのだ。あまり細かく指導したり監督したりすると、今度は職人さんの方が気分を害してその工務店の仕事を受けなくなり、工務店が職人不足になったりするらしい。
このシステムがうまく働くのは、すべての職人がプロの職人と言えるレベルにあるときだ。簡単な指示だけで完璧な仕事をしてくれるのなら、細かい技術指導や現場監督はむしろ邪魔である。しかし、そうでない場合、未熟な職人が工務店の意図とはまったくちがう作業をしてしまうことがある。そこに今回のようなトラブルが発生する余地が生まれる。
不幸中の幸いは、ウチの場合、工務店の上層部に地球人がいて、職人を入れ替えて工事やり直しという措置をとってもらえたことだ。もし工務店まで宇宙人だったら、「いや、お客さん、サンプルとはちょっと違うけど、まぁこんなもんです。これ以上は無理ですよ」と下手な地球語で説得されたことであろう。
ともかく、連休明けに工事再開なのでまだまだ戦闘は続くわけだが、「現場監督は自分でする」もしくは「現場監督は自分で雇う」くらいの心構えがないと、大きな工事は怖くて任せられないというのが今回の教訓である。今のところ、地球人になりすましている宇宙人を見分けるのはきわめて困難である。
これだけ職人のレベルが落ちると、今後、「工事のチェックを請け負います」というフリーの現場監督のような仕事が流行るかもしれない。